おはようございます。Sorugi Lab.所長です♪

さて、みなさんは鹿児島県のソウルフード「かるかん(軽羹)」をご存じでしょうか。

2019年6月のとある日。FB通じて友人ご夫婦が34回目の結婚記念日を迎えられたことを知りました。34年を共にした素晴らしい日ですが、特に何もお祝いしないことを聞いて、今回だけはスペシャルな結婚記念日になってほしい!と思い、急遽あんフラワーソルギケーキをプレゼントすることを心で決めました。

まだまだあんフラワーの技術が下手で、ケーキ1台作るのに四苦八苦する時でしたが、友人ご夫婦の気持ちを考えると頑張れました^^そして、友人ご夫婦に大変喜ばれたことも未だに記憶に鮮明に残っています♡

実は、この時はじめてソルギを食べた友人からソルギの食感がかるかんに似てると感想を頂きました。それがきっかけで、所長はかるかんに興味を持つようになりました。

そして昨年7月、所長は念願の鹿児島へかるかんの旅に行ってきました^^

鹿児島空港に着いて真っ先に向かったのは、元祖かるかん「明石屋」本店でした。

明石屋の外観は、さすが老舗だけあり、歴史を感じさせる重厚感たっぷりな雰囲気でした。

1854年創業の明石屋は、明治時代の地図にも記載があるそうです。

明石屋の名前は、日本史にも出てくる薩摩藩第11代藩主・島津斉彬公が参勤交代で江戸にいるとき、気に入った江戸の菓子職人を薩摩に一緒に連れて帰って来たことに由来するのだとか。

その菓子職人が兵庫の明石出身だったため、明石屋という屋号で1854年に薩摩で商売をはじめたそうです

 

店内に入ると、ガラスのショーケースの中に軽羹(かるかん)、高麗餅(これもち)、煎粉餅(いこもち)など、高級感溢れる和菓子たちがずらりと並んでいました。

バリエーション豊富な明石屋ですが、中でももっとも有名なのが「かるかん」。コロナ時期でもあり、試食はなかったので、かるかんはもちろんのこと、片っ端からほぼ全ての商品を大人買いしちゃいました😅

鹿児島滞在中、ホテルに戻っては明石屋の和菓子を食べていました^^どれもおいしく感動する味でしたが、特にかるかんが一番好きでした。

かるかんの素朴な甘さはソルギに似ていますが、ソルギにはない軽い食感がなんとも言えない感動を与えてくれます。何個でもペロッと食べられる美味しさでした♪

 

さて、かるかんとソルギは似ていますが、ルーツが同じかどうかはまだまだ検証が必要かもしれません。

とりあえず、両者を比較してみました。

①初見

軽羹の初見…というと、

明石屋さんのホームページに以下のように記載されていました。

「軽羹」がこの世に生まれたのは、今から遡ること三百年前。時は元禄、島津家二十代綱貴の五十歳の祝いの席に用いられたのが、最も古い記録となっています。

では、ソルギは…いつ文献に現れたかというと、

ソルギは1815年の閨閤叢書(규합총서)という韓国の古書に′白雪糕(백설고)′として記録されているのが、はじめだそうです。

②原料

■かるかん→砂糖、かるかん粉、山芋、水

■ソルギ→砂糖、米粉、水

違いは、かるかん粉と山芋のみですが、かるかん粉の原料はうるち米粉なので、原料は同じ米粉です。

かるかん粉は米粉の一種で、うるち米を水に浸した後に水を切り半乾きにし、ひびを作り、粗く挽いた粉です。

ソルギ作りに最適とされている湿式米粉も実は、うるち米を水に一晩漬けて、専用の製粉機で粗く挽いた粉です。

製粉方法もほぼ一緒ということがわかりますよね。

かるかん粉は鹿児島以外では入手が難しい為、ない場合は上新粉(胴搗き製法)で代用します。ただし、上新粉のほうがかるかん粉よりも粒子が細かいため食感に違いが出ます。ソルギも同じで、湿式米粉がない場合は乾式米粉で代用します。韓国でいう乾式米粉がない場合は、上新粉で代用可能です。

③製造方法

かるかんとソルギ、どちらも蒸し菓子です。製造の工程で網目を使い空気をたっぷり入れるところや、蒸す時間の長さ、型に入れてお作りする方法等、共通点が非常に多いです。ご興味ある方はぜひ、ご自宅でかるかんを再現してみてください。

⑤使用用途

昔、かるかんは婚礼・年始・賀儀などの重要な日にしか登場しない、格式高いお菓子だったようです。

同じく、ソルギも生後100日祝い・1歳の誕生日・結婚式・還暦祝いなど、韓国のお祝いの席では欠かせない伝統菓子なんです。

ここまで、読んでくれている方、なんだか感動しませんか^^

こんなに似ている伝統菓子を今まで知らなかったことが損ではありませんか。笑!

かるかんとソルギの一番大きな違いは自然薯(山芋)にあります。鹿児島県は薩摩の国なので、原料の中で自然薯にたどり着くのも容易に納得できますよね。自然薯の力でより軽い食感を作り出しているかるかんに比べ、ソルギは米粉のみなので、かるかんよりはやや重い食感です。

その為、ソルギはどちらかというと主食に近いので、パンやおやつ感覚で食べられるといいかもしれません。

かるかんとソルギ、どちらも伝統菓子でありながら、進化を遂げて今日まで受け継いできました。

両者の共通点を知ったことで、ソルギLOVEに加え、かるかん愛も生まれました。とても幸運なことだと思います。

Sorugi Labは、これからも食を通じて、日本と韓国両国の懸け橋になり、ソルギの研究に愛情を注ぎたいと思います。

第一回目のSorugi Lab.Blogのテーマは、「かるかん」と「ソルギ」についてでした。

次回もお楽しみに❤